Translation of Björk

 

2000年より、アイスランドの歌手ビョークの歌を自己流に翻訳するという遊びをしています。一般的に、英語の歌詞の日本語訳は日本版CDに付属する薄い冊子に記載されていますが、それは努めて直訳されたものだと思います。私の試みは歌詞の直訳ではなく、一曲の歌の世界観を形成するすべての要素~音、声、空間性、言葉など~を深く聞き込むことで生じてくる自分のことばを拾い上げ、最終的には詩の形にすることです。それは自分という個性をフィルターにして、ビョークの歌のエッセンスを翻訳するという挑戦です。

 

2000年に大学の言語学の授業で、実践的なレポート作成のために創作を始めたのがきっかけでした。その後、同大学でトランスカルチャーをテーマとした翻訳家の教授の研究会でも発表していました。発表会ではビョークの歌をCDで流しながら 私の詩を黙読してもらうという形で、印象を比較してもらいました。 

 

私にとってこの試みは自己発見の(自分の魂の声を見つけるような)遊びであり、その後も15年近くに渡って時機を見ては取り組むことがあります。また、最終形としての詩だけでなく、元々の歌から一つ一つの私の言葉がどのように選ばれたかを綴った翻訳分析も記録しています。今回サイトには、これまで蓄積した詩の一部を掲載しました(2008年の後は間を空けて2014年以降も幾つか創作していますが、掲載はまたいつか!)。ご感想などお気軽にお寄せ頂けましたら幸いです。

 

 

年代順の歌訳 

INDEX

 

Translation of Songs 笑宇の歌訳詩  

2000

1 Venus As A Boy ピーターの誘惑~ウェンディ、目を覚ませ!~

2 Hyper-Ballad ハイパー・バラッド   

 

2002

3 Unravel 小さな蚕の話

4 Anchor Song 無題

5 Headphones (θ Remix) 瞑想 

 

2007  

6 Like Someone in Love 初恋人魚ひめ

7 Aurora 太陽の翠 

8 The Boho Dance ボーホー・ダンス

9 Show Me Forgiveness 懺悔歌

10 I've Seen It All わたしのみたものー親子のダイアローグ

11 Hunter 狼

 

2008

12 The Modern Things おもちゃ近代革命 

13 One Day (endorphin mix) あさやけ

14 Cocoon 雪橇

15 New World 天国

16 Human Behavior ホモ・サピエンス

 

2014

17 Oceania うみ

 

*上のビョークのアルバムジャケット写真をクリックすると、アルバムごとの曲目で詩が見られます。

  

下記は、2000年ころの大学レポートにまとめていた概要です。論文形式のため語り口が硬いですが、なつかしい。ご参考まで。

 

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歌を訳すこととは、

 

一、自分独自の言葉をさがし、それを洗練させていく訓練

二、歌のリスナーという居場所から、もう一歩ビョークの世界に踏み込み、 より深く、そこに込められたメッセージを知る

三、文学や詩の翻訳とは異なる、「歌」自体の訳という、新しい表現世界を追求する

 

→ これらを通して、「うた」というものの魅力について考える

 

そこにある魅力には、言葉でないものを言葉にする作業の面白さ、歌い手に同化しながら訳す、感情移入の楽しさ、またそれが新たに誰かの歌の解釈を挑発する可能性など。

私はビョークの突飛な壮大さが好きだ。彼女が果敢に挑んでいく色とりどりの未知の境地に、 私も辿り着きたいという意志と願いがあって、歌を訳すということを試みた。 この作業によって私は、ビョークのうたを聴くといつも自分の心に浮かびあがる、 不思議な結晶のような波紋がどんな形か、少し目で見ることができるようになったのである。

 

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