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日時 2018年9月10日午後5時頃~(約30分) 

場所 福島県いわき市の公園

 

 

福島県富岡町のホームセンターで、ピンク色の土嚢袋を見つけた。

福島では、汚染土が詰め込まれた土嚢袋をあちこちに見かける。汚染土の風景としてなら黒い袋の方が象徴的かもしれないが、私は優しい肌色のサナギのような、ピンク色の袋に惹かれた。

 

私は袋に詰め込まれた、土の気持ちになってみたいと思った。

または土に紛れていて偶然に封じ込められた、生きものかもしれない。

 

本来、豊かさの源である肥沃の土が、汚れたものの象徴となり隔離される危険な存在となる。封じ込められた土から培養される、加害者意識と被害者意識。 

 

打ち捨てられた、みじめな気持ち。

小さな袋のなかでもがく、息苦しさと居心地の悪さ。

やがてついに袋の外へ出ようとするときに生じる違和感、罪悪感。

 

それでも、地面に触れたい。自分の源に還りたい。

自分が汚れているのだとしても、もしかすれば傍にいる人たちにとって有害の塊なのであろうと、大地へ戻ることを自分に赦した。それが私こそが正に自然そのものであることの証、自然の権利だった。

 

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会場として選んだいわき市の空き地は、急な階段をしばらく昇ったその先に広がる、ファンタジーのように美しい所だった。ひと気もなくうっそうとしているのに木々や朽ちかけた紫陽花にも不思議な生命力を感じる。天上からは他とどこか異なる質感の神々しい光が降り注いでいて、緑が煌めく。

 

その空き地に見捨てられたように佇む土嚢袋の、寂しくも奇妙な存在感を引き立てたくて、パフォーマンスの開始時刻は暗くなり始める夕方の5時頃を選んだ。開始してしばらく経つと、曇り空はやがて小雨になり、雨が袋をノックする音が強まるにつれて土砂降りとなり、雷まで轟き始めた。結果的に泥だらけのパフォーマンスとなったけれど、見てくれた人たちの感想によれば、それは功を奏したようだった。大地への飢えと葛藤、袋からもがき外に出るプロセスは、激しい雨の恵みの下で叶えられた。

 

 

 

写真

1、2:富岡町のひと気のない商店街で見かけたピンク色の土嚢袋

3、4:いわき市の温泉旅館・古滝屋にて深夜に一人リハーサル。ロビーと廊下もパフォーマンスの会場として検討していた。

5:空き地の中央に、丸く刈り取ったように草のない地面がある。そこがパフォーマンスの始点と終点になった。